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固体媒体としてゼオライトを用いる促進酸化処理法の開発

分野
環境無機化学
キーワード
水処理、難分解性有機物質、オゾン、促進酸化処理法、ゼオライト、触媒
工学部 生命環境科学科

教授 太田 能生

工学部 生命環境科学科

教授 北山 幹人

研究概要

 促進酸化処理法(Advanced Oxidation Process:AOP)は、UVやUV+H2O2によって、オゾンをヒドロキシラジカル等のより酸化力の強い活性酸素種に転換することによって、有機物の分解効率を飛躍的に高める技術であり、1980年代に米国で提案された。オゾンとの直接反応は選択性が強く、一般に完全な酸化分解・無機化が難しいが、ヒドロキシラジカル等の活性酸素種は反応の選択性も低いという特徴を有するため、農薬等の難分解性有機物質を含む排水の処理に適している。しかしながら、UV等を使用する促進酸化処理法は、浮遊物の多い排水処理には適用不可である。また、H2O2添加やpH調整、Fe3+などの添加(フェントン法)もまた、大量の水処理には適さない。よって、固体触媒を用いる「不均一触媒」が望まれるが、これまで報告はほとんどない。
 最近、我々は、結晶構造に一定量以上のアルカリ金属を含む親水性ゼオライトが、水中溶存オゾンの分解に対して高い触媒活性を示すことを見出した(特許取得済)。本触媒の存在下、オゾンによる難分解性有機物質(農薬類似物質 2,4-D)の分解が促進される、いわゆるAOP効果も確認した(図1)。さらに、最新のESR-スピントラッピング法を用いることによって、ゼオライト触媒存在下、水中オゾンの分解によってヒドロキシラジカルの生成を確認した(図2)。
 本研究室では、現在、水質汚濁物質の代表であるフミン酸を用い、完全に酸化分解するためのゼオライト触媒合成に取り組むと同時に、オゾンマイクロバブル発生装置を組み合わせた水処理システムの開発を行っている。


図2

利点・特徴
  • 他の酸化剤と比較し、オゾンは分解後無害な酸素に変わるため、環境に優しい
  • 電気や光エネルギーを用いて発生したオゾンを、もう一度、紫外線=エネルギーを用いて分解する従来のAOPと比較し、省エネルギーである
応用分野
  • 難分解性有機物質を含む排水処理
  • 排水リサイクルシステム
特許情報 特許第5733757号(2015年登録)「促進酸化処理方法」

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