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低次元ナノ材料の物性・機能と電子材料応用の研究

分野
ナノ物性、ナノカーボン
キーワード
グラフェン、2次元層状物質、結晶成長、原子層シート
工学部 電子情報工学科

教授 前田 文彦

研究概要

 炭素原子が蜂の巣状に広がって平面状のネットワーク(結晶格子)を組んだ1原子層のシートを、「グラフェン」と呼ぶ。このグラフェンを幾重にも重ねて目に見えるようになったものが、鉛筆の芯にも含まれていて実生活になじみのあるグラファイト(黒鉛)である。10年ほど前にグラファイトから10μmほどのこの物質の破片を分離することに成功し、理論的に予測されていた非常に優れた電気的な特性が実証された。これをきっかけとして、幅広い工業的な応用を期待して、グラフェンの研究は爆発的に進展することとなった。(この貢献に対してグラフェンの発見者にノーベル物理学賞が与えられた。)しかしながら、当初の作製方法は、大量生産が必要な産業応用に適したものではなく、大面積かつ高品質なグラフェンを形成する研究が活発に行われている。

 このような背景から、高品質大面積のグラフェン形成とその応用を目指して、本研究室では下記の研究を進めている。

  1. 低コストを実現する新たなグラフェン成長法の研究
  2. グラフェンナノフィンのセンサ応用の研究
利点・特徴
  • 大面積のグラフェン形成には、SiCの熱分解法と触媒金属を基板としたCVD法で精力 的に研究が進められているが、爆発の危険のあるガスの使用が、安全に関する製造 コストの上昇要因となっている。炭素源として予め基板に塗布した固体を成長材料 として爆発性ガスを使用しない成長法を採用することにより、このようなコストの 低減を目指している。
  • グラフェンナノフィンは、グラフェン上にさらにグラフェンを成長した実験を行っ た際に、試料表面を観察して発見されたユニークな構造で、基板表面からフィン状 に突き出た構造がネットワークを形成している。原子層シートのエッジには、化学 的活性などシート面にない特性が予測され、それが露出しているグラフェンナノ フィンには高感度センサなどへの応用が期待される。
応用分野 <次世代電子材料>
  • 集積回路の配線(微細化に伴う発熱や断線の問題を克服)
  • 透明電極・配線
  • 超高感度センサ

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